『Blue fairy』/91  2005/03/17

未だ濡れた瞳で、少年はその小さな姿を見つめた。
まるで夢を見ているかのように。
否、夢などではない。
「アルベルト!!」
「うわ…っ!!」
と。
突然抱き締められて、彼が思わず悲鳴を上げる。
「良かった…!!…ごめんっ、ごめんねっ、僕が悪かったんだ…!!」
「わっ…解ったから放せ!!潰れる!!」
「あ…」
やっと体格差のことを思い出したジョーが腕の中から解放してやると、妖精は荒い息を整えながら机の上に降りた。
乱れてしまった衣服を整え、翅をしまうと、はぁっと短い溜息をつく。

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