『Blue fairy』/93  2005/03/18

少年は机の脇まで近寄ると、妖精の小さな顔に口を近付けて、囁いた。

「―――…君が幸せになることだよ」

途端、強い光が妖精の体から溢れた。
辺りを包み込んだ光は、まるで水が堰を切って流れ出すように部屋中に満ちていく。
やがて光が晴れ、ジョーが目を開けると、そこには―――
「……アルベルト…?」
白い肌に輝く銀の髪、澄んだ湖めいた青い瞳。
目の前に立っていたのは、ジョーよりも背の高い男性だった。
「これは…」
彼は些か驚いた様子で、自分の体を見下ろした。

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