『Blue fairy』/94  2005/03/19

彼は些か驚いた様子で、自分の体を見下ろした。
「…本当に、君なの?…だって、これってまるで…」
「人間の姿か……成る程な」
青い瞳に微笑が宿る。
「どうやら俺の幸せとは、もう自分の世界に戻る事じゃないらしい」
「え…?」
妖精―――否、今や人間になった男は少年の手を取ると、腕に抱き寄せた。
「わ…!!」
「こうして、ずっとお前の傍に居る。…それが、俺の幸せだ」
「……アルベルト」
ジョーは頬を赤らめて、もう一度彼の姿を見上げた。

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。