『Blue fairy』/95  2005/03/19

さっき自分から抱き締めた時より、もっと近くにいるような気がするのは、彼が大きくなったせいだろうか。
「…本当だ。…君は僕より大きかったんだね」
「魔法も使えない、可愛くもない妖精はお払い箱か?」
苦笑する男に、少年は首を横に振った。
「ううん。…前より好きになったよ。本当に、ずっと僕の傍にいてくれる…?」
「勿論。御主人様のお望みのままに」
二人は顔を見合わせて微笑んだ。
窓の外の夕暮れには、春の気配が訪れている。

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