花散る丘/7  2005/03/28

少年の言葉に、子供のように熱心に耳を傾けていた彼は、それを聞いて朗らかに笑った。
「あらぁ、素敵」
満面の笑み。
オリジナルならば絶対に覗かせはしないだろうそんな表情も、彼は難なくやってみせる。
「アタシも行きたいわ、ねぇアル、一緒に行ってもいい?」
「……いつ行く事が決定したんだ…」
「行かないの?」
ふと目を丸くすれば、ジョーが小さく溜息をついた。
先刻から誘っているのに相手にしてもらえない所為か、最早その表情は諦めに近い。

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