花散る丘/8  2005/03/29

するとベリアルは何を思ったか、うつむいた丸い頭を嬉しそうに撫でた。
「……そう、じゃお姫さん、アタシと二人で行きましょ。お菓子持って」
「え…っ」
戸惑うジョーの肩を抱いて、いそいそと玄関へ促す。
「だって行きたくないなら仕方ないもの。そうよね、そうでしょ、アル?」
褐色の肌に良く似合う、真紅の口紅を刷いた薄い唇が殊更にんまりと歪んだ。
自分と同じ顔に化粧が似合うとは思いたくもないが、アルベルトはもう半ば諦めかけている。
こいつはこういう奴だ。

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