花散る丘/15  2005/04/05

肩越しに、ベリアルは笑みを作ってみせた。
そうして器用にするりとその手から逃れると、隠れるようにジョーの背後へ回る。
「はい」
「わ…!!」
そこから少年の背中を軽く押してやれば、丁度良く向かいに居た相手の腕の間へ収まる格好になる。
危うく二人とも体勢を崩して芝生の上へ転がりそうになる所だったが、どうやら上手く受け止めたようだ。
「ちゃんと返したわよ。文句ないでしょ?」
「……お前な」
いつもの下らない悪戯だと気付いて、アルベルトが眉をひそめる。

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