花散る丘/16  2005/04/06

「いつも独り占めしてる方が悪いんじゃない」
悪びれた素振りもなく、紅い瞳のアンドロイドはふふんと鼻を鳴らした。
「あ…あのっ…」
その間から、未だ戸惑ったような遠慮がちな声が上がる。
耳まで真っ赤に染まった顔を恥ずかしそうに伏せつつ、呟いたのはジョーだ。
「…放して…欲しいんだけど…」
受け止められたままの状態―――要するに抱き締められたままでは、身動きも取れない。
それに、何より相手を意識しすぎて、心臓が爆発しそうだ。
「……ですって」
ベリアルが面白そうに笑った。

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。