花散る丘/17  2005/04/07

やっと解放されて、少年が安堵の溜息をつく。
それから何か思い出したように、二人の同じ顔を交互に見つめた。
「もう…僕はモノじゃないよっ。返すとか独り占めするとか、そんな事で喧嘩しないでっ」
二人は一瞬、視線を合わせた。
弾けるように吹き出したのは、ベリアルの方だ。
「!?」
何が可笑しいのかと目を見張るジョーの頭を、鋼の手が撫でた。
「そうよね。そう…ごめんなさい。…ね、アル?」
「……」
片や、その的外れで純粋過ぎる発言に反論も出来ず、ただ溜息をつく。
こんな風だから、目が離せないのだ。

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