花散る丘/28  2005/04/20

ジョーはもう一度、薄紅の花弁が舞う空を見上げた。
そうして彼の、良く見知った横顔へ視線を移す。
「……そう…だね」
自分たちはまだ半分が人間だ。
人間として親から生まれ、過去と記憶を持ち、死ねば少なくとも人間の部分は土に還る。
花に生まれ変わることも出来るかもしれない。
だが彼は―――

『Burial』

埋葬、という意味の単語を名前にしたのは彼自身だ。
そこに込められた皮肉を、少年は苦く噛み締めた。
初めから、作られた命。それも、他の誰かの紛い物として。

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