Ghost Thierf/6  2005/05/06

闇に包まれた廊下を走る足音は、彼自身のものだけ。
では、誰が、どうやって。
考えている暇は無かった。
「くそ…!!」

***

「はぁ…、は…っ」
息切れの合間に、ジェットは心の中で舌打ちした。
一体どんな魔法か知らないが、宝石を操っている『何か』は相当に速い。常々足の速さにだけは自信のあった彼にとって、屈辱的な程だ。
「何だってんだよ…!!」
叫びながら、それでも止まりはしない。あんな得体の知れないものに負けてたまるかという妙な対抗心が、彼をつき動かしているのだ。

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。