Ghost Thierf/8  2005/05/07

窓は開け放たれ、満月がくっきりと夜空に浮かび上がっている。
そしてそれを背負う、小柄な人影。
宝石はその手の中へ、ふわりと落とされた。
「……ご苦労様」
人影がふと呟く。
驚く程澄んだ声音だった。
そして―――闇の中にうっすらときらめく、月の光を浴びた紅の瞳。
「…スカー…レット…!?」
ジェットは思わずそう叫んだ。
反射的に片手の懐中電灯を振りかざす。
だが、先刻まで煌々と点いていた明かりはいつの間にか消え、何度スイッチを切り替えても空しく音を立てるだけだった。

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