Ghost Thierf/19  2005/05/16

『怪盗スカーレットは、誰にも捕まらない』

「……畜生」
誰にも、だと?
「だったら俺が捕まえてやる」
このまま逃げられてなるものか。
幽霊だろうが化け物だろうが、構いやしない。
彼は部屋を通り過ぎると、街へと降りていった。

***

休日の大通りは人でごった返している。
いつもならば何となく通り過ぎてしまうはずの街並が、今はとても邪魔なものに見えた。
さて何処から始めよう。
神出鬼没の怪盗のことだ、聞き込みなんてありきたりな手法で見付かるとは思わない。
だがまずは、何事も情報からだ。

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