Ghost Thierf/20  2005/05/17

ジェットは何処かで新聞でも手に入れようと、道なりに歩き始めた。
と、その時。
「…っと」
前から早足で歩いて来た何かが、通りすがり、軽く彼にぶつかった。
拍子に、両手に抱えていた紙袋から、真っ赤な林檎がひとつ転げ落ちる。
「あッ…」
人影はすぐに慌てて振り向いた。
しかし始めに気にかけたのは、落し物ではなく彼の方だった。
「ごめんなさい…!!…お怪我はありませんか…?」
「え…あ、あぁ、いや」
目深に被ったキャスケットのせいで顔は良く見えないが、柔らかそうな茶色の髪が覗いている。

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