Ghost Thierf/21  2005/05/19

「……!」
少年の方もジェットの顔を覚えていたのだろう。
一瞬のうちに彼の脇をかすめると、人込みの間を縫って走り出した。
「っ…ま、待て!!」
ジェットもすかさず後を追う。
あの声と瞳―――間違いない。
「…スカーレット!!」

***

「畜生っ、何処に逃げやがった!!」
人込みの表通りを抜け、路地裏に姿を消した少年の姿を探す。
また逃げられるのか。
また、追い着けないのか。
あの紅玉の瞳に。
「……!」
大きく息をついて、顔を上げたその時。

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