Ghost Thierf/32  2005/05/30

無論、今更そんな細かい杞憂なぞしている訳ではない。彼は今、本当に今自分が此処にいていいものか決めあぐねているのだ。
しかし、懐へ飛び込んでしまったものは仕方がない。
毒なら毒、だ。
彼はカップの液体を一口啜った。
「…それで?」
「それでって?」
何やら意を決した表情の彼を見て、少年がきょとんと目を丸くする。
「だから、話の続き」
天然なのか、それとも理解力が足りないのか。
少々うんざりしてジェットが先を促すと、少年はあぁ、と肯いた。
「あのね…僕たちが泥棒なんかやってるのには、理由があるんだ」

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