Ghost Thierf/35  2005/06/01

微かな金属音をさせて、少年がそれを目の前に翳した。
こんなに間近で見た事は無かった。ガラスのショーケース越しに見るのとは違う、吸い込まれるような輝きに思わず目を奪われる。
深い緑の奥底に煌く光が、人々を何百年と虜にしてきたのだろう。
「……何人もの人がこの宝石を奪い合ったり、羨望や欲望の的にしてきた。これにはそういう『思念』が染み込んでるんだ」
「……思念?」
「うん。宝石は特に宿りやすいかな。…要するに、あまり良くない力ってことだけど」

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