Ghost Thierf/38  2005/06/04

「その…大体は解ったんだけど、その『消す』っていうのはどういう事だ?」
「あ…それは」
少年は背後の影に目配せした。
窓枠からふわりと白い影が床へ降り立ち、少年の座っていたソファの横へ歩み寄る。
「お願い」
少年が首飾りを男に手渡す。
幽霊は肯いて、それを受け取った。
それは不思議な光景だった。空気のように透明な、けれどしっかりとした白い指の上に宝石が乗っている。
男はそれにそっと、薄い唇を寄せた。
慈しみ愛でるような、くちづけ。
「……!」
途端、宝石から柔らかな卵色の光が溢れる。

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