Ghost Thierf/39  2005/06/05

それはまるで水のように男の白い喉へ流れ込み、やがてその体の中へ霧散して消えた。
「……ありがとう」
儀式めいた行為が終わると、少年は短く幽霊に礼を言った。
少年の手に戻った宝石からは、もうあの妖しいまでの美しさは感じられない。
だが、奥底で煌く光は、前よりももっと明るく透き通ったように見える。
「…これは…」
口を開けて一部始終を見ていたジェットに向かって、少年は呟いた。
「彼と組んでるのは、こういう理由なんだ。…強い思念は、ゴーストがこの世に留まるための糧になる。利害の一致、って事かな」

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。