Ghost Thierf/40  2005/06/07

ね、と後ろを振り向けば、幽霊がこくんと肯く。
蒼い瞳の奥には、まだ微かな光が渦巻いているように見えた。
暗闇の中で見た時はただ怖ろしいと思っていたその瞳が、真昼の陽光の中では優しく淡い色に輝いているのに、ジェットは今更ながら気付いた。
「そのかわり、綺麗になったものは全部元の持ち主に返すのが信条。…わかった?…つまりそれが、怪盗スカーレットの正体」
「……は」
突拍子もない話だ。
信じる理由などない。
けれど信じない理由もどこにあるだろう。

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