Ghost Thierf/41  2005/06/08

幽霊なんて存在するはずが無いと思っていた―――それなのに、今ここにこうしている。
彼は溜息をついて、もうすっかり冷めてしまった紅茶を一口啜った。
微かな甘い匂いがした。
「解ったよ。……それで、俺にどうしろって?」
「……できれば、警察に突き出すのはやめてくれないかな」
不安げな少年の言葉に、彼は思わず小さく吹き出した。
「冗談じゃない」
「!」
「……お前みたいなガキがあの怪盗スカーレット様だなんて、俺の他に誰が信じるかよ」

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