Ghost Thierf/43  2005/06/11

少年は困ったように眉尻を下げる。
「仕方ないよ。…僕がいなくなったら、彼もこの世に留まれなくなるから…」
「……ああそう」
成る程、要は読んで字のごとく、取り憑いているという訳だ。
幽霊は自分の為に、少年を護り手伝っているのだ。
怜悧なその瞳に、ひと欠片でも優しさのようなものが宿っていると見た自分が馬鹿だった。
ジェットは肩をすくめ、納得したように肯いた。
「ありがとう。…それと、もう一つお願いがあるんだけど」
「?」

***

「あら、お帰りなさい」
家に帰ったのは、夕方になってからだった。

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