Ghost Thierf/44  2005/06/13

既に仕事を終えて帰って来たらしいフランソワーズと、玄関先で鉢合わせした。
「……機嫌が悪そうね」
少女はジェットの憔悴しきった顔を見てころころと笑ったが、彼はへらっと唇に笑みを浮かべただけで、言い返す気も起きなかった。
「ちょっとな…色々あったんだよ、今日は」
「まぁ、何が?」
「……秘密」
まさか今朝話題に上ったばかりの怪盗に出会って、その正体まで教えて貰って来ましたなどとは言えない。
だが、その言葉は少女にとって逆効果だったのだろう。
好物を見つけた子猫のように詰め寄ってきた。

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