Ghost Thierf/49  2005/06/18

その為には協力者も必要なのだろう。
とは言え―――本当に厄介な事になってしまった。
渋々ながら承諾してやった時、ありがとう、と笑った少年。
無邪気なその笑顔に、彼は思わず心奪われてしまったのだ。
(…反則だ)
怪盗だなんて、姑息な泥棒とばかり思っていたのに。
あんな顔をするなんて。
明日もまた来てくれるかと問う少年に、彼は肯いた。
―――厄介ではあるけれど、悪くない気分だ。
神出鬼没で正体不明な怪盗の、ただ一人の秘密の共有者。
彼は心の中で小さく笑った。

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