Ghost Thierf/50  2005/06/20

***

『……本当に良かったのか』
ロンドンの夜は美しい。
闇に染まった空を見上げた少年の紅茶色の髪を、風がひと房煽った。
「何が?」
窓枠に腰掛けたまま、相棒たる幽霊に向かって首を傾げる。
白い男は青い目を細めた。
『あれの事だ。…いくら"見える"とはいえ、元々はお前を警察に突き出す魂胆だった相手を』
その険しい表情を見て、少年はくすくす笑った。
「大丈夫だよ。あの人、そんなに悪い人じゃないから」
『…どうだか…』
男は透明な溜息をついた。

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