Ghost Thierf/55  2005/06/26

その言葉を待ち侘びていたかのように、幽霊は薄い唇を少年のそれに重ねた。
優しく包み込むように、深く味わう。
「ん…」
間から一度だけ少年の小さな声が漏れた。
それでも、冷たい唇は離れることを許さない。滑り込んできた舌先が口腔を掠めると、少年は悦楽に身を震わせた。
儀式のようなそれがやっと終わった時、紅い瞳はうっすらと潤んでいた。
「……はぁ…っ」
未だ名残惜しそうに、濡れた瞳が彼を見上げる。
『……苦しかったか』
少年の細い顎に手をかけたまま、男が小さく呟いた。

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