Ghost Thierf/57  2005/06/28

今更、罪だと思って何になろうか。
『お前は、最高の食事だな』
所詮は寄生虫と宿主のような関係だ。
自分はもはや人ではない。
少年から命を奪わねば存在することさえ出来ない、醜悪な―――
「良かった。…君が元気でいてくれないと、僕も困るもの」
男はそんな少年の笑顔から目を逸らすように、床を眺めて肯いた。
『……そうか』
体温と呼べるものを持たぬ体にも、夜風は微かな涼を運んでくる。
街の明かりが無数の蝶のようにさんざめいていた。


***

「―――失踪事件?」

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