Ghost Thierf/58  2005/06/29

小柄な体には少々広すぎるのではないかというくらい大きなデスクの上で、少年が目を丸くした。
「あぁ、ちょっと…知り合いに地獄耳がいてさ。そいつが言ってたんだ、噂になってるって」
向かい側のソファに腰を下ろしているのは、長い赤毛を億劫そうにかき上げた青年だ。
少年は座っていた大仰なアンティーク調の椅子からひょいと降りると、ソファの横へ歩み寄る。
「ふぅん…どんな噂?」
「えーっと……確か、行方不明になるのは美人の男女ばっかりなんだとか…」

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