Ghost Thierf/61  2005/07/02

何事かと少年が訊ねれば、少し決まり悪そうな顔をして囁く。
「いや……一人、いないなぁって」
「あぁ」
先刻から姿の見えない、少年の相棒だ。
あの男はどうも自分を良く思っていないらしいから、てっきり前のように少年との会話を監視でもするかと思ったが、何処にも見当たらない。
「ハインリヒも情報集めがてら外にいるよ。…怪しい気配とか場所を探るのは、僕より彼の方が長けてるから…」
「……へぇ」

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。