Ghost Thierf/62  2005/07/03

言われてみれば、刃物のように鋭い瞳や、まるで厚みを感じさせない白い肌はそういうもの―――並の人間には感じられないもの―――に敏感そうだと思った。
幽霊とは、どんな感覚をもってこの世に存在しているのだろう。
肉体を持たず、言わば意識だけで動き回る気分とはどんなものだろうかと、彼は少し考えた。
(……寂しいかな)
自分を確認できるの自分だけだなんて。
それはきっと発狂してしまうくらい、心細いことに違いない。
「あ」
「ん?」
「帰ってきたみたいだ」

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