Ghost Thierf/64  2005/07/05

その、墓所の冷たさを孕んだ声は、奇妙な説得力に満ちている。
思わず先を促したのは少年ではなく、今まで億劫げに足を組んでいたジェットだった。
「何だよ」
幽霊は少し不機嫌そうに眉を動かしたが、構わずに続けた。
『街外れに古い屋敷があるだろう』
「あの空き家?」
少年が首を傾げる。
相棒はこくりと肯いた。
『その方向から、微弱な気配が漂ってきてる。本当に弱い…人一人分の気配だが』
「……それがどうして変なの?」

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