Ghost Thierf/65  2005/07/06

住む者のいない古びた家にも、興味本位で訪れる人くらいいるだろう。
だが、男は銀の髪を揺らして首を振った。
『気配自体は弱いのに、混じり気がありすぎる。まるで細い糸をより合わせて一本の糸を作るように、微弱な気配が幾つも集まっている。……だとしたら、数も半端じゃない』
「……!」
少年の目の色が、瞬時に変わった。
『勿論、あんな所にだって沢山の人間が来る事も無い訳じゃなかろう。……だが、それは例えば今にも死にそうな人間が、ボロ家に大勢…って事だ』

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。