Ghost Thierf/70  2005/07/11

生きるものも、そうでないものも、全てを包み込んで。
夜の中では全てが平等だ。明るく照らしてくれる太陽も、今は無いのだから。
白い、牙のように鋭く細い月が浮かんでいた。
「……あれ」
夜風に煽られて佇む姿は、その月の光を集めたように仄かに輝いている。
窓辺に一人きりでいる幽霊に、ジェットはふと気付いた。
「ジョーは?」
『着替えてる』
簡潔に呟いた男の隣に、彼は腰を下ろした。
「ふーん……手伝ってやったりとか、しないんだ」
笑いながら茶化して言ってはみたものの、この手の冗談が通じる相手ではない。

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