Ghost Thierf/71  2005/07/12

薄氷色の瞳がちらりと冷たく彼を見て、そしてまた視界から外した。
「何だよ、つまんねーおっさんだな。怒るとか動揺するとかないわけ?」
『……』
男は少し呆れた顔で、黙って月を見上げていた。
余計な雑音を頭から追い出すように、夜風に銀髪を煽られるまま目を閉じる。
闇に浮かぶ白い影は、幽霊と言うより月の精か神とでもいった空気を纏っていた。
「―――……何が解る?」
ジェットはその目がゆっくりと開いたのを見計らって、訊ねてみた。
きっと、彼にしか解らない事を感じ取っているのだろう。

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