Ghost Thierf/73  2005/07/14

だが、やがて薄い唇が動いた。
『……さぁ』
虚ろな青い瞳に、街の明かりが透けている。
気が付いたらこの姿で居たと、彼は言った。
『……名前は憶えていたが…いつ死んだか、どうして死んだかも知らない。……ただ』
「?」
『自分の存在が段々希薄になっていくのを感じて、不安だった』
こうやって、自分が何者なのか、何故ここにいるのかも解らないまま消えていくのか―――
そう思い始めていた時、あの少年と出会った。

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