Ghost Thierf/79  2005/07/20

「おい、おっさん」
変わらない状況に痺れを切らしたか、彼は白い後姿に声をかけた。
「前に感じた気配とやらの出所は、解んねぇのか?」
『……解った。……が』
振り向いたその顔が、怪訝そうに眉をひそめる。
『少し、おかしい』
「……あ?」
『気配は下…多分地下室だ。……だが、あの微弱な幾つもの気配と、もうひとつ』
彼は思わず、少年と顔を見合わせた。
「……それって」
恐る恐る訊ねたのは少年の方だ。
『―――……何か、いる』
幽霊が、地を這うような声で呟いたその時だった。
「……!」

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