Ghost Thierf/84  2005/07/25

彼はその人影が振り向くのを見て、思わず息を飲んだ。
薄闇に映える微かに青ざめた白い肌と、光を含んだ金の髪。
少女は彼に向かって、優しく微笑んだ。
「―――……フラン」
呼びなれたその名を呼ぶ、彼の唇は微かに震えていた。
「ジェット!!
だが、近づこうと一歩踏み出したその時、背後から少年の声が聞こえた。
「駄目だ!…それは、君の知ってる人じゃない!!」
彼ははっとして我に返った。
そして、初めて異変に気付いた。

「……!!」

この部屋の四方を囲んでいるのは、単なる壁などではない。

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