Ghost Thierf/90  2005/08/06

月の仄かに白い光の下、その姿は確かに美しかったが、今の彼らには寒気を催すものでしかない。
「……お前、そいつをどうする気だ」
ジェットが問うと、少女は肩をすくめた。
『決まってるわ。この体も、そこの皆と同じ……綺麗なまま、ずっとここで大事にしてあげるのよ』
「冗談じゃねぇ!……返せよ!!」
やっと本来の気質を取り戻したジェットは、得体の知れないそれに向かって叫んだ。
そうして気持ちが追い立てるままに、少女へ走り寄った。
「フラン!!……まだ生きてるんだろ、目ぇ覚ませ!!」
『……うるさい坊やね』

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