Ghost Thierf/93  2005/08/09

少女は唇を歪めて笑った。
『イエスだなんて、言うと思うの?おばかさん』
『……仕方ないな』
嘲笑に応えたのは少年ではなかった。
白い霧が凝固したかと思うと、少女の細い首目掛けて鋭い手刀が振り下ろされた。
『…っぐ…!!』
容赦のない衝撃は、少女を前のめりに昏倒させる。
『所詮は人間の体に取り憑いているせいで、"人間並み"の力しか出ないと見える。……さぁいつまでその体が保つか、やってみるか?』
青い瞳に銀の髪の幽霊が、静かな表情を湛えてそれを見下ろしていた。
『……っ』

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