Ghost Thierf/96  2005/08/13

一歩早く攻撃に出たのは、こちらの方だ。

ギン…!!

宙を舞う、白と黒の霧。
それはまさに、人ならぬもののぶつかり合いだった。
打ち合うたびに蒼い火花が落ち、辺りに飛び散る。
『やっぱりか……ジョー!!』
激しい争いの間から、男が叫んだ。
『……探せ…きっと…本体がどこかにある』
「本体…!?」
『……そうだ……こいつは、人間の体を借りなくとも、消えずにいる……そのための何かが、あるはずだ…!』
空気が、一際大きく唸った。
顔のない影から、獣のような歯軋りが聞こえる。

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