Ghost Thierf/100  2005/11/06

だが、今は彼の気持ちも解らないではない。
幾ら古ぼけた屋敷だとは言っても、三階建てに地下室と屋根裏を備え、部屋の総数は幾つあるか見当もつかない広い所だ。
まして形も大きさも解らないものを、どうやって探し出せと言うのだろう。
「畜生、あの野郎、当てずっぽうで言ったとか言うなよな」
「それはない…と思うけど…でも」
煤けた絨毯の敷かれた廊下を走りながら、少年は首を捻った。
化け物の本体があるとするならば、きっとそれは何者にも触れさせたくないものだろう。

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