Ghost Thierf/103  2005/11/08

「これ……壁から外せるかな」


***


『……ふん』
影は、無い口で小さく笑った。
『もうおしまいにしたらどう、ボディガードさん』
『……っ』
青い目が影を睨み付ける。
その視線は相変わらず刃物のように鋭かったが、疲労の色は隠しきれない。
幾ら同じ人ならざる身であっても、相手は他者を弱らせる事に長けている。元が単なる人間である彼にはそもそも、対抗する手立てがあまりない。
影はそんな彼の焦りを、早や見抜いたようであった。

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