Ghost Thierf/118  2005/11/29

それがどれ程の想いだったのか、今となっては推し量りようもないが―――。
「あんな事になる前に……誰かが救ってあげられれば良かったのに……」
まるでそれが自分の所為だとでも言うように、少年は目を伏せた。
と、その心なしか小さくなった背中を、突然ジェットの手が強く叩いた。
「ひゃっ」
「バカ、終わっちまった事をうじうじ言うな」
振り向いて見上げると、更に額を小突かれる。
「お前はあの時、お前に出来る一番の事をしたんだ。……それでいいんだよ」
その言葉は真摯で優しかった。
「……うん」

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