Ghost Thierf/122  2005/12/03

窓から差し込む陽光にちらちら輝いたのは、掌に乗るほどの小さな銀色の欠片だった。
ジェットは少年の手元を覗き込んだ。
あの時自分が割った、あの鏡の欠片に間違いない。
そのひとかけらは、傷もなく見事に割れていて、まるで元からその形をしていたかのように見えた。
少年の赤い瞳が映り込む。
「……なんだか、前より綺麗になったみたいだ」
少年がそう呟いた、その時だった。

『今、綺麗って言った?』

「!?」
鏡の中から、小さな声が聞こえた。
思わず、その場にいた全員が銀色の欠片を覗き込む。

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