Ghost Thierf/123  2005/12/11

『……まさか』
幽霊が恐る恐る呟く。
鏡は小刻みに震えたかと思うと、細い紫色の煙を噴き出した。
「わぁっ」
驚いた少年がそれを宙に放り投げる。
床へ落ちた鏡から、蛇のように煙が立ち昇り、そして―――
『……!』
欠片の上に浮かび上がったのは、あの黒い影だった。
ただし。
『あーぁっ、ちょっと寝すぎたわぁ』
欠伸をしたその姿は、あの時のまま―――幽霊の姿を借りたままだ。
銀色の髪をひとつ降ってから、同じ顔がこちらに向き直って笑った。
「どうして…!!」

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