Ghost Thierf/124  2005/12/12

少年が思わず表情を強張らせると、彼は慌てて首を横に振る。
『違う、違うのよ。もう何もしないわ。…第一、力を閉じ込めてた本体が壊れたら、アタシは何も出来ないもの。今はただの幽霊と同じよ』
「……何だって?」
『……ごめんなさい』
微かにうなだれて呟く表情には、暗い影が落ちていた。
『あれからずっと考えてたの。アタシ、悪いことをしたのよね。……だからもし、許して貰えるなら、許して欲しいと思って』
そこからは、あの時の凄みも邪悪さも感じ取れない。ただ淡々と、彼は話し続けた。
「……」

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