Ghost Thierf/126  2005/12/14

「さよならって…何処に行くの?あの屋敷はもう…」
『知ってるわ。なくなっちゃうんでしょ?……いいのよ。あの家にいい思い出なんかないもの』
影は少し皮肉げに、微かな笑みを含んだ声で言った。
「だけど…」
少年は知っている。
行き場所を失った魂がどうなるのかを。
少年と出会う前の幽霊のように自我を失い、霧のように希薄な存在と成り果てて、やがては―――
「……それは」
「ジョー?」
「そんなの……酷いよ……」

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