闇の中/1  2006/01/04

―――踊れ、踊れ。
例えその身が傷つき、命果てる日が来ようとも。

永遠に、闇の中を彷徨う魂たちよ―――


***


「……何度目だ」
暗い光に彩られた玉座の上、声は微かな笑みさえ含んで静かに問う。
声の主を見上げる男は、未だ若い。
だが、その淀んだ褐色の瞳には、他の若者のそれのような希望は欠片も宿ってはいなかった。
そこにあるのはただ、今まさに己を蝕まんとする絶望への、純粋な恐怖だけであった。
「これで何度、失敗したと訊いている」
声が再びの問いを投げる。

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