闇の中/6  2006/01/08

この強大なる"黒い幽霊団"の差し向けた追っ手が、たった九人に大きな痛手を負わせる事もなく、ことごとく返り討ちに遭っている。
好ましくない事実というものは、得てして人の間に広まり易いものだ。
幹部の中には、作戦の内容に疑問を持つ者も現れ始めているといった所か。
「お言葉ではありますが、もうあと少し戦力を割いても良いのではありませんか。…あのような無能な若輩者をわざわざ使わなくとも…」
「無駄な浪費だ」
男は短く言い捨てると、冷ややかに老幹部を見た。

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