闇の中/7  2006/01/08

髑髏面の中央で、金色の瞳―――眼窩の奥のそれが、もし瞳と呼べるならば―――が、ささやかな照明の光を受けて揺れている。
「……閣下……」
「たかが試験体如きに、そこまで労力を使う必要が無い」
暫くの間、老いた幹部は何事か言いたげに、主の前へ跪いたままだった。
だがやがて、決心したように、皺の刻まれた顔を上げた。
「……何故、ひと思いに潰してしまわぬのです」
"たかが試験体如き"―――
主はそう称した。そしてその通りだ。

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